#11心の筋肉
昔から企業の採用では運動部出身が有利と言われていた。就職氷河期の時でも運動部のキャプテンは早々と内定がもらえていたね。そういえば某企業にはいろんな大学のラグビー部、それもキャプテン経験者がゴロゴロいたな。すごい体育会系のピリピリした雰囲気だったから僕なんかはその会社に打合せに行くときはいつも緊張したもんだ。
運動部出身者が強い理由は、礼儀作法を叩き込まれているから(とかシャキシャキしているから)とよく言われていた。でも本当の理由は心の筋肉がついているからだと思う。大学の運動部はサークルと違って、けっこうシゴかれる。たくさん練習を積んで鍛えられている。もちろん運動部での上下関係なんかで礼儀作法や気配りが叩き込まれているのは間違いない。でも何より彼ら彼女らは普段の練習を通じて頑張る習慣、努力する習慣が身についている。先輩や指導者から怒鳴り散らされてもめげないスピリッツが身についている。これが心の筋肉だ。
この心の筋肉がしっかり付いている人が会社に入ってくれると、その会社はとても楽になるんだよね。だって一番教えることが難しくてかつ重要なことがすでに身についているんだから。心の筋肉がある子は仕事の実務的なことは放っておいても出来るようになる。勝手に育ってくれる。そして自分の仕事をするだけじゃなくて自発的に後輩教育から組織運営もやってくれる。それが社風というか文化になって強い会社になるんだ。
もちろん、右へ倣え的な組織になりがちゆえの不正や長時間労働の温床にもなるため、今では問題があるかもしれない。ただ、心の筋肉は必要だよ。運動部経験がなくたっていい。学生時代に何でもいいから頑張ったっていう経験があればそれでいい。もし社会に出るまで何も頑張ったことがないとしても社会人になって仕事を頑張って心の筋肉を付ければいいんだ。決して遅くはない。頑張ってみよう。


松田充史
松田鉄工所 代表取締役
山口県周南市出身。地元の富田中学校、徳山高校を経て中央大学を卒業。
新卒で某新聞社に入社し広告営業に従事。その後別の新聞社にて広告営業やイベント事業を担当する。そこから松田鉄工に転職して現在に至る。